高村薫氏『レディ・ジョーカー』読了。
『マークスの山』を読んだときに、『日経サイエンス』が出てくるのはこの本と聞いて読んだ。そうしたら、出てきました。何回も。『マークスの山』を読んだときには、合田刑事は日経サイエンスを読まないように思ったものだが、この本では、バイオリンを弾くし、キリスト教徒で、義兄は読書好きということで、いかにもこういう雑誌を読みそうな感じに描かれている。
『レディ・ジョーカー』自体は、多くのストーリーが絡み合って描かれている。しかも、それが違和感なく描かれている。その点はとても感心したが、それだけ読むのに骨が折れた。慣れた後半はスイスイ読めたが。内容的には、『マークスの山』より優れていると思う。
この本のメインテーマは、人ひとりの中にあるアンビバレントな感情ということだろう。描かれている人の多くが、その様にいろいろな感情を持って描かれている。清々しい好漢として描かれている合田刑事でさえ、最後は「変態」と書かれる位なのだから。自分自身も、このように思うこともある。こういう面はきっと、どんな人にも存在するのではないか。それに負けてしまう人もいれば、宗教(カルトではなく)に助けられる人もいるだろう。自分は悲しいことがあって人生にダメージを受けた時に、どの様に思い、対処していくであろうか。
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